好きなアニメを楽しむ上で原作や作画、音楽、声優さんなど様々な選択肢がありますよね。
アニメ制作会社もその一つです。
OP曲に必ずクレジットされていますのでお気づきの方も多いと思います。
最近では「鬼滅の刃」の”ufotable”や「けいおん」の”京都アニメーション”、「攻殻機動隊」「新世紀エヴァンゲリオン」の”Production I.G”がアニメ制作会社として有名ですよね。
制作会社によってアニメの個性や、一番重要な表現が決まるといっても過言ではありません。
正式名称:株式会社ボンズ
(英:bones.inc)
「ガンダムシリーズ」や「天空のエスカフローネ」、「カウボーイビバップ」を手掛けた”サンライズ”第2スタジオのスタッフを中心に1998年に設立されました。
アニメ制作業界で面白いのは、有名制作会社からのスピンアウト(独立)やカーブアウト(事業分離)が頻繁に行われているところです。有名なのは”タツノコプロ”から”Production I.G”や”MADHOUSE”、”サテライト”から”エイトビット”でしょうか。
業界の風土として労働集約型の下請け・孫請けで成り立っており、アニメーターとして厳しい環境で培った下請け経験から、まずは孫請けから独立するケースが多いようです。
昨今の技術革新でペンタブレットや海外外注で大きく環境が変わりましたが、足の引っ張り合いや潰し合いが少ない珍しい業界ですね。
(普通の業界はどこも大手の寡占になりがちです。アニメ制作会社の多くは杉並・練馬・三鷹・吉祥寺などにあり、産業集積している点も独立や人の移籍が起こりやすい環境かもしれませんね。)
前置きが長くなりました(笑)。
早速名作3選を紹介します!
BONES名作3選!
1.交響詩篇エウレカセブン
2005年4月より1年間TBS・MBS系列で放送されました。
初めてbonesの名前を知った印象深い作品です。
ただのロボット大戦ものではなく、少年の成長と恋、世界の謎を50話で描いた大作です。この作品はbonesの原作で、バンダイとbonesのメディアミックスプロジェクト”Project EUREKA”としてbonesの名を世間に知らしめるきっかけになりました。
また、この作品は12年の時を経て、劇場版3部作「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」としても公開されています。
オリジナル作品としては異例の50話がベースにあったため、物語が丁寧に描かれています。大きな方向性はありながら、メインキャラクターがそれぞれ葛藤を抱えており日曜朝7時放送とは考えられない深いテーマでした。(子供観てたのかな…)
bones作品でのこだわりの一つは音楽です。
OP曲のFLOWの「Days」や挿入歌のSUPERCARの「STORYWRITER」、劇中の音楽がセンスのいいものばかりでした。今でもサウンドトラックはTVやラジオのジングルでよく使われています。
2.文豪ストレイドッグス
2016年4月からTOKYO MX系で現在3期まで放送されました。
原作:朝霧カフカさん・作画:春河35さんの同作、文豪たちのエピソードやビジュアル化、異能力バトルを描いた異色のアニメです。
もちろん原作に基づいた文豪たちのキービジュアルがありますが、アニメ化に伴いbones風アレンジや世界観が物語の雰囲気を作っています。bonesの手掛けるアニメでも週刊少年ジャンプ系の「鋼の錬金術師」「僕のヒーローアカデミア」のような原作に忠実で王道なアニメもありますが、私は明治大正風で怪奇譚的なものが好みですね。
そもそも文豪が持つ破滅的で耽美的なイメージをイケメンでまとめてしまうアイデアが凄いのですが、アニメ化で広く世間に知られることになりました。
3期の製作によって、bones作品の中でも名シリーズになっています。
3.ノラガミ
2014年1-3月、2015年10-12月の2期がTOKYO MX系で放送されました。
原作:あだちとかさんによる月刊少年マガジンの連載作品です。(この作品がbonesの中でも一番好きです。)
OP曲のモノトーン調の作画もお洒落でした。1期も2期もOP曲はハードな感じですがタイトルにマッチしていましたね。
そもそもHello sleepwalkers「午後の待ち合わせ」やTHE ORAL CIGARETTESの「狂乱Hey Kids!!」を選ぶセンスがすごい。声優さんが可愛く主題歌を歌う時代に、あえて骨太バンドサウンド。
※2曲とも同じレーベル(A-Sketch)なのでタイアップなのかもしれません。
物語全体やバトルに流れる音楽も独特な雰囲気があり、音楽担当の岩崎琢さんは文豪ストレイドッグス同様にbones作品との親和性が高いですね。
※岩崎さんは別制作会社ですが過去に「るろうに剣心」も担当してました。明治・大正の雰囲気が合うのかな。
「ノラガミ」では和風・古風な中にエスニックとエレクトロニカを混ぜる作風がカッコいいですね。
神社の持つ静寂感や神聖感、神さまを現代風に擬人化・融合したビジュアルもいいです。神社の鳥居の朱色と曇天の鈍色の対比が映えてました。
是非3期を期待したいところですが色々課題がありそうですね。(この件には触れません(笑))
以上、bones作品はまだまだあります。有名なのはやはり「鋼の錬金術師」でしょうか。私は圧倒的に「ノラガミ」ですね。
アニメ制作会社によって個性もあり、ヒットの要因にもなっています。一昔の前の過酷な製作現場のイメージ(宮崎駿のジブリ的な)もようやく払拭されてきてます。1クールに20本以上のアニメが生まれ多様化してきてますので、選択肢の中に制作会社というポイントを入れてみるのもいいのではないでしょうか。
#ノラガミ