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鬼滅の刃 ヒットの背景と今後の展開について考えてみた

10年ぶりに映画館で映画を観た。

最後に観たのが2012年公開の「宇宙兄弟」だったので、いかに映画館から足が遠のいていたのか…

その間に海外出張の飛行機内での映画鑑賞やAmazon prime videoでの視聴はあったが、20年前あれほど通ったレンタルビデオ屋はもはや会員ですらない状態。時代を感じる今日この頃、映画「鬼滅の刃 無限列車編」を切り口に今更ながら考えを残したい。

 

 

最初に言っておくが、鬼滅の刃は面白い。映画も面白かった。 

冷静に考える前にこのことだけは伝えておきたい(笑)。

 

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鬼滅の刃のヒットの背景と今後の展開

 

鬼滅の刃 無限列車編」は11月10日現在、公開24日で興行収入204億円のヒットとなり、2020年のアニメという枠だけでなく映画(邦画)としての記録的な作品になった。

おそらく歴代2位以上は間違いない。

 

■歴代映画興行収入ランキング(興行通信社調べ 11/10現在)
1.『千と千尋の神隠し』(308億円)
2.『タイタニック』(262億円)
3.『アナと雪の女王』(255億円)
4.『君の名は。』(250.3億円)
5.『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(204.8億円)

 

もはや「よもやよもやだ」とは誰も思えない展開だろう。

なぜここまでヒットしたのかを考察したい。

 

鬼滅の刃ヒットの背景

アニメ「鬼滅の刃」は2019年4月~9月期に放送された。

この時点では普通の週刊少年ジャンプ作品のアニメ化という程度でここまでのヒットの予兆はない。

それを証拠に放送時はコミックスは500万部程度である。(以下)

 

 

 

 深夜放送であってもこのアニメ化でジャンプ購読者以外の層にリーチし放送終了時には1200万部まで売上が上がったことは、まだよくある展開といえる。

(原作連載中で、しかもアニメは6巻までだったため)

私はヒットの背景は以下2つの要素だと考える。

 

サブスクリプションによるまとめ視聴

私自身もそうだが、アニメの放送前は鬼滅の刃の存在自体知らなかった。最近週刊少年ジャンプを読んでいなかったこともあるが、作画や込み入った内容から途中から入れる作品ではないと思った。

しかし、Amazon prime videoで放送中の反響からか、おすすめタイトルとして度々画面に現れ、SNSの情報や口コミで途中から視聴するようになった。

また多くの人が、放送終了後にアーカイブとして一気に視聴できたことも作品全体のスケール感や世界観を伝える意味でも大きく寄与したことは間違いないだろう。

このサブスクリプションの存在は今までのヒットアニメでは希少な例ではないだろうか。インターネットでの買い物としてAmazonは最大手であり、Prime会員(翌日配送サービスの会員)も多くいる。加えて、TVでのCM効果でPrime videoの端末さえ購入すれば無料で映画やアニメ、過去の番組が視聴できることは周知化してきた。

Netflixにおいても同様といえる。従来、煩わしかったSet top boxのようなデッキがないと視聴できなかったサービスが、購入時からすべてのTVに内蔵されており、インターネットさえ加入していればいつでも簡単な手続きで会員になれる環境にある。

圧倒的な敷居の低さでサブスクリプションが浸透し、従来考えられない放送中の作品がほぼタイムラグなく視聴できる、アーカイブ出来るという変化が背景の1つだろう。

 

 

コロナ禍による巣ごもりとSNS

同時に2020年2月からの新型コロナウイルスの猛威による外出控え、加えて4月~5月の緊急事態宣言による外出自粛も大きく影響したと思う。

これほどまでに全国民が外出を控え、家に籠ることがあっただろうか。

当然、やることが無くなればTV番組やインターネット(Youtubeなど)を見る機会も増える。子供はもちろん、大人もこの機会にアニメに触れることが増え、2019年9月にアニメ放送を終えたばかりの2クール26話の見ごたえのある作品はちょうどよい消費材だったのかもしれない。

最近のヒットの傾向としてSNSの存在がある。良かったものはすぐにSNS上の口コミで広がり、多くの人にシェアされる。シェアされた人が原作やアニメを観て、さらに相乗効果が生まれる。

SNS的な承認欲求も加味すれば、みんな勝ち馬に乗りたがる。5月の段階でコミックスは6000万部を突破したのはこの2つの要素が働いたためだと思う。

 

映画 「鬼滅の刃 無限列車編」について

あえて映画の中味に触れるつもりはない。

これほどまでにヒットした作品で内容考察することも、ネタバレを書くことも必要ないからだ。

あえてこの作品のすごいところは、アニメがヒットした2019年9月以降に映画化を発案し、実際に1年程度で公開されていることであろう。

過去、宮崎アニメは制作に5年程度はかかっていた。新海誠監督もやはり3年程度はかかっている。

いかに原作があるとはいえ、1年足らずで発案から公開までできる現在のアニメ技術の進化に驚くばかりである。

 

加えて、アニメ映画の製作費の安さ。

おそらく10億円程度と推定され、いかにコスパがいい作品になったかがうかがえる。

(以下、過去のアニメ映画の製作費参考。)

 

1988年 AKIRA 10億円
1995年 攻殻機動隊 6億円
1998年 ミュウツーの逆襲 3億-3.5億円
2002年 千年女優 制作費1億数千万円
2005年 機動戦士Ζガンダム 1億円
2007年 秒速5センチメートル 27万ドル
2009年 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 約6億円
2016年 君の名は 推定制作費4.5億 

kurashidata.com

 

出演料の高い大物俳優もいない、VFXや爆破ロケなどもない。

「君の名は」以降のアニメ映画はリスクが非常に少ない投資かもしれない。

 

 

今後の展開について

 鬼滅の刃は2021年放送予定の2期が確定している。

(すでにティザーサイトもある。)

 

www.youtube.com

 

今回の大ヒットを受けて、2期の後に更なる映画化はすでに検討されていると思う。2匹目のドジョウだけでも100億円以上は期待できるからであり、やらない手はない。

難しいのは作中のどのエピソードを映画化するかである。というのは、すでに作中のベストバウトを消費しているからだ。

 

鬼滅の刃 ベストバウトランキング>

1位 煉獄 VS 猗窩座   ←映画化

2位 炭治郎 VS 塁   ←アニメ化(1期)

3位 非鳴嶋行冥、不死川実弥&玄弥、時透無一郎 VS 黒死牟 ←最終決戦

 

最終決戦を映画化して、前編後編にするのは十分考えられるし、そうすべきだろう。コンテンツとしても十分の原作のエピソードがある。

しかし、2021年の遊郭編~最終決戦の映画化までを考慮すると最短でも2年近くの期間が必要になる、せっかくのブームが沈静化してしまう可能性すらある。

そう考えると、遊郭編から最終決戦までにももう一度映画化をしておきたいところだが、上述の通り人気で適当なエピソードがないかもしれない。そのためには遊郭編からそのまま一気に刀鍛冶の里編と柱稽古までぶち抜きでアニメ放送されるほうがよいと思われる。

もしも無理やりにでも刀鍛冶の里編を映画化するのであれば、明らかに無限列車編に劣る内容になってしまいブームの終息に拍車がかかってしまう可能性すらある。最低でも次の映画化を2022年のお正月くらいにもっていくには2021年4月~9月にすべてを詰め込むしか方法はない。コンテンツビジネスの難しいところだ。答え合わせは2期の放送日程の正式発表で分かるだろう。

 

サブスクリプションやコロナ禍の影響もあるが、すでに原作を知らないLate Majorityの視聴者にリーチしたことで最終決戦までヒットコンテンツになることは約束された。今後の展開について期待したいと思う。(応援込みで)

メディアMixを含めると経済効果や収益はいかほどになるのか、2021年も鬼滅の刃を中心にエンターテインメントは回る予感がする。

最後に、昨今話題になっている実写映画化だけはやめてほしいと願う(笑)。

  

 

 

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