12/27に「神様になった日」が最終回を迎えました。
麻枝准さんのシナリオ作品ということもあり、初回から注目していましたが、
遅々として進まないストーリー、どのように物語を帰結させるのか考えていました。
ようやく結末を迎えて、謎が解けましたので感想を書きます。
「神様になった日」とは
原作・脚本を麻枝准さん、キャラクターデザインをNa-Gaさんのオリジナルアニメです。
主人公に話題の花江夏樹さん、ヒロインに佐倉綾音さんを起用した注目作品でした。
受験を控えた主人公の前に突然現れた、神と名乗るに”ひな”によって世界の終わりが予告されるところから物語が始まります。
1.各話リスト
話数 | サブタイトル | 画コンテ | 演出 | 作画監督 | 初放送日 |
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第一話 | 降臨の日 | 浅井義之 | 阿部ゆり子 |
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2020年 10月11日 |
第二話 | 調べの日 | 高村彰 | 杉光登 | 10月18日 | |
第三話 | 天使が堕ちる日 | 松林唯人 |
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10月25日 | |
第四話 | 闘牌の日 | 上野壮大 |
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11月1日 | |
第五話 | 大魔法の日 | 篠原俊哉 | 阿部ゆり子 |
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11月8日 |
第六話 | 祭の日 | 福田道生 | 橘内諒太 | 川面恒介 | 11月15日 |
第七話 | 映画撮影の日 | 浅井義之 |
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11月22日 |
第八話 | 海を見にいく日 | 福田道生 | 阿部ゆり子 |
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11月29日 |
第九話 | 神殺しの日 | 鈴木健一 | 菅沼芙実彦 |
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12月6日 |
第十話 | 過ぎ去る日 | 篠原俊哉 | 高村彰 |
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12月13日 |
第十一話 | 遊戯の日 | 安藤真裕 | 松林唯人 |
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12月20日 |
第十二話 | きみが選ぶ日 | 浅井義之 |
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12月27日 |
(引用:神様になった日 - Wikipedia)
2.ストーリーの展開
第1話の”ひな”との出会いから、その後の第2話~第8話はほとんど物語は進みません。
主人公の陽太の高校最後の夏休みをきっかけにして、ひたすら”ひな”の思い出作りが続きます。
その後9話から最終話まで一気にストーリーが展開し、”ひな”自身の謎や30日後に世界が終わる意味が明かされます。
(引用:kamisama-day.jp)
3.考察
”ひな”とは
彼女の正体は鳴神夫婦の恩師で情報工学の博士であった興梠修一郎の孫でした。
そしてロゴス症候群によって家族を崩壊させてしまった難病患者でもありました。
両親と別れてから興梠博士と暮らす中で、博士の研修結果(チップのようなもの)を脳内にトレースしたことで超常的な情報力と演算力によって一時的にロゴス症候群から解放され、ひと夏を陽太と共に過ごすために現れた、生きた博士の研究成果の器といったところでしょう。
以下ロゴス症候群の説明です。(引用:ja.wikipedia.org/wiki/神様になった日#あらすじ)
ロゴス症候群本作に登場する架空の病気。脳委縮と神経原性筋萎縮が同時に起こる先天性の病気で、成長するにつれ筋力が低下し、死に至る。治療法は存在しない。ひなはこの病気のため幼いころは立つことも言葉を話すこともできなかった。
ひなの起こした奇跡は
興梠博士の研究成果を脳内にトレースしたことでの驚異的情報能力のなす力によるものでした。
雨を予知したり、渋滞を予知したり、麻雀を勝つことなどは全てはそれによるものでしょう。
陽太にとってはもちろん奇跡に感じたし、ひな自身も奇跡を演出することで陽太に取り入ることをスムースにしました。
実際は”ひな”であって”ひな”でなかったのかもしれません。
しかし、最後は陽太たちとっての掛け替えのない”ひな”になりました。
世界が終わる意味
”ひな”のいう世界とは、巨大IT企業フェンリルの手で興梠博士の研究成果の秘密が突き止められ、30日後に チップが回収されることを悟った”ひな”が望んだ陽太たちと過ごす記憶のことです。
それはフェンリルから差し向けられた天才ハッカーの鈴木央人も同じように状況を悟り、後に陽太に”ひな”と会うチャンスを設けることに繋がります。
フェンリルに投降した”ひな”は開頭され、記憶とロゴス症候群に作用していた能力を失います。
これが世界が終わったことを指すのでしょう。
停滞した2~8話の役割
遅々として進まなかった中盤のエピソードすべては、メインストーリーとは違うサブストーリーと思われました。
しかし、フェンリル社の登場によってようやくストーリーが本流にいくかと思われましたが、実はこのサブストーリー(思い出作り自体)こそがメインストーリーという仕掛けです。
それは”ひな”が限られた時間で望んだ思い出ですね。
4.感想
結果として”ひな”が完全に記憶を取り戻すことも、ロゴス症候群が治ることもありませんでした。ある意味残酷な結末でもあります。
シナリオの麻枝さんが描いていた結末は、何だったんでしょう…。
もちろん一度は起こした奇跡(興梠博士の研究成果)を最後にもう一度起こさせなかったことは予定不調和として受け入れられます。(世の中そんなに上手くいかない、最終話ですべてが解決しない。)
ただし、そうだとしたら物語のコアな部分(現実)と残したかった部分(未来)は私には見えてきませんでした。
(あえて言うなら陽太が進む道につながったことでしょう。)
でも、ここまで引っ張った挙句にこの着地点...
ご都合主義で締めくくることは出来なかったのでしょうか?
伏線が回収されたことで、初回の謎の意味は理解できたものの全体的にストーリーのスケールも方向性も疑問が残ります。
2020年秋アニメとしてオリジナル作品がなかったことで、勝手に期待値を上げてしまったせいもあり、私の中では不発感が否めません。
みなさんはこの結末とストーリー展開をどのように見られますか?
※尚、この感想はあくまで個人の感想です。意見の相違は歓迎します。
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(おまけ)
↓初回の時の記事です。この頃は全容が全く分からず、ファンタジー作品になると思っていました(笑)。