12/24に「安達としまむら」の最終回が放送されました。
地方の女子高生のほのかなGLというべきでしょうか。
私は回を重ねるごとに観るのが苦しくなって、どこか心が疲弊してしまった作品でした。
一体何がそうさせたのでしょう…
最終回まで観た上での感想です。
0.各話リスト
話数 | サブタイトル | シナリオ | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 初放送日 |
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第1話 | 制服ピンポン | 大知慶一郎 | 桑原智 | 吉村文宏 |
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2020年 10月9日 |
第2話 | 安達クエスチョン | いわもとやすお |
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10月16日 | ||
第3話 | 二等辺トライアングル | 鈴木卓夫 |
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10月23日 | ||
第4話 | 女子高生ホリディ | 森田眞由美 | 川西泰二 |
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10月30日 | |
第5話 | アダチズQ | 矢花馨 |
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11月6日 | ||
第6話 | ホワイト・アルバム | 大知慶一郎 |
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山本隆太 |
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11月13日 |
第7話 | 私に相応しいチョコを決めてください | 桑原智 | 山内東生雄 |
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11月20日 | |
第8話 | 過去を紡ぐ茨 オールドローズ | 森田眞由美 | 吉村文宏 |
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11月27日 | |
第9話 | そして聖母を抱擁する愛 マリーゴールド | 大知慶一郎 | 山本隆太 |
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12月4日 | |
第10話 | 桜と春と 春と月と |
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前園文夫 |
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12月11日 | |
第11話 | 月と決意と 決意と友と | 森田眞由美 | 桑原智 | 波多正美 |
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12月18日 |
第12話 | 友と愛と 愛と桜と | 大知慶一郎 | 吉村文宏 |
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12月25日 |
(引用:natalie.mu)
1.で、安達は結局そうなの?
安達が抱く感情は間違いなくGLだったかもしれません。
最終的には触りたい、近づきたいという実力行使にまで発展しました。
ただ、まだ偏った友情や友達を独占したい欲求とも言える中途半端さがありました。
人見知りやコミュ障の人が意図せず優しくされたことから、自分に好意があると勘違いして一方的に愛情の独占をしたいというのはよくあることだと思います。
(そんなつもりはないのに…ってパターンですね。)
安達の場合は常に一方通行でしたが、元来のこじらせた性格のために彼女の成長とはしまむらへ一歩踏み出すことに映りました。
そもそも地方の共学の高校なのですが、男子同級生や男の影が全くないのも違和感がありました。
もしも男性という選択肢がある中で、あえてその道を選ぶなら非常にわかりやすかったかもしれませんね。(対比として強調されるので。)
そこがこの作品の不思議なところでした。
要するに、安達はまだGL予備軍であって確定に至る材料は不足しています。
では安達とは何だったんでしょう…
2.しまむらは普通であって普通じゃない
男目線で考えると、しまむらのいう”普通”こそおかしかったですね。
手を繋ぐこと、膝枕をすること、ここまではまだ理解が出来ます。
ただ第2話の股の間に安達を置いてバックから挟み込むような体勢はどうなんでしょう?これ普通(笑)?。
無意識で無邪気なドSに映りましたね。
安達にとっては意を決したような提案も、しまむらにとってはほとんどが普通なために嚙み合わないところも見どころでした。
何でだろう…
初回からの数回は楽しく観ることが出来ましたが、だんだんと胸が苦しくなりました。
観るのやめようかなぁ…とまではいかなかったですが、疲れている日は観たくないくらいの状況でしたね。
それは安達がGLの境界線を行き来しながら葛藤して悩んでいる様を観るのが辛かったからなのかもしれません。想像以上に心に蓄積して重いんでしょうね。
3.ここでのGLの定義は
この物語を咀嚼して自分なりに落とし込んだ結果、以下にような3段論法を考えました。
①男子目線=安達
②安達=GL目線
③男子目線=GL目線
作者は安達というフィルターを通して、実は男子目線でのGLを見せたかったんでしょうか。
一部の女子にBLがウケるように、GLは男子のものなんですかねぇ。
そう考えるとしまむらは普通の女子じゃないと成立しないことになります。
でも、やはりしまむらさんは普通じゃないですよね。
みなさんは男子目線で微笑ましく観れましたか?
4.並走するサブストーリー「日野と永藤」
1年生の時のクラスメートの日野と永藤もGL色を出していました。
お互いが幼馴染?または中学時代からの旧知の仲という感じです。
小柄で皮肉屋の日野に対して、巨乳でお姉さんキャラの永藤。
結果として安達としまむらよりもこの2人の関係性のほうが物理的で刺激的でした。
胸を触らせたり、おでこにキスをしたり、一緒にお風呂に入ったり…
主人公の2人より発展しそうな雰囲気を醸し出したり、物理的な接触があったり、これが普通の女子高生の間柄なのでしょうか...。
そうなると逆にしまむらさんは普通なのかもしれませんね。
このサブストーリーと呼べるか分からない関係性も安達の心の輪郭を作る上で必要だったのかもしれません。
5.この先の結末は?
原作のライトノベルは現在も連載されていて、この先に何らかの結末が準備されているのでしょう。
友情なの?GLなの?と思春期の心の葛藤を描いているのがこの作品だと思うので、最後まで決定的なことは起こらないような気がします。
案外高校を卒業したら、2人が遠く離れてしまったら、何でもない青春の一時の世迷言だったということでもいいと思います。(多分そうなんでしょう。)
男子目線でGLを見せようとするならば、これくらいのほのかな関係性を越えられないでしょう。
このギリギリの感情とヒリヒリする感傷を楽しめるかどうかは評価がわかれるんじゃないでしょうか?
そして、女子の皆さんにとってこの作品はどう映ったのでしょう?楽しめましたか?
私の独断と偏見でGLは男子目線のものと定義付けて考えをまとめましたが、それは私自身が消化するための考え方であって答えではありません。
ジャンル的にも今後同様の作品が出てくるんでしょうかね。
安達もしまむらも思春期の冷めた感情を文学的に吐露するようなナレーションで、映像も含めて可愛らしく綺麗でした。
当初は軽く観ていたんですが、気づかないうちに心が疲弊し、想像以上に重い作品だと気付かされます。
だからでしょうか、私は観るのが辛くなってしまったのです。
これがこの作品の醍醐味だとすれば、この先の重さに付き合うのはかなりエネルギーが必要ですね。
ちょっとお休みして、いつかこの作品を見直してみたいと思います。