2021年7月アニメ「転生したらスライムだった件 2期」43話が放送されました。
魔王クレイマンに逆襲すべく、いよいよバトルへと動き出した2期も後半戦ですね。
この43話では作品屈指の人気者、”ゴブタ”の活躍もありました。
それで確信したのですよ。
ゴブタってやつの人気の秘密や役割について。
1.そもそもゴブタって何者?
ゴブタとは、
リムルが暴風竜ヴェルドラの洞窟を出て最初に訪れたジュラの大森林のゴブリン村にいたキャラクターです。
「転生したらスライムだった件」の2話から登場していますので、物語初期から活躍している主要メンバーの1人ですね。
他のゴブリンがリムルから名前をもらったことで、格上の形態(ネームド)に進化したことに対して、ゴブタだけは姿形は全く変わらなかったことも特殊だったのかもしれません。
(この頃からただの端役ゴブリンではなかったですね。)
その後、ゴブタは牙狼族と共にゴブリンライダーを結成し、隊長を務めるまでに成長します。
ハクロウとの訓練によって着実に成長し、オークロードが侵攻してくる「森の騒乱編」ではリザードマンのガビルとの決闘で勝利したり、意外に強いことに驚かされました。
そして43話では魔王クレイマンの五本指の1人魔人ヤムザと三獣士アルビスの戦いに介入し、ヤムザの攻撃にダメージを受けることなく回避することが出来るまで成長しているようです。
41話で竜人族のヘルメスがヤムザによって片手を切り落とされているくらいの実力差があったことを対比すれば、ゴブタ>ヘルメスは間違いなさそうですね。
2.ゴブタって親近感の塊
ゴブタの性格は一言でいえばお調子者です。
物語が進むにつれて、リムルも成長し、テンペストの仲間たちも同様に成長していきます。
鬼人族のベニマルや猪人族のゲルドたちのように、元から強かったメンバーに加えて、魔人・魔王といった強者がどんどん現れてくるバトルの中で、視聴者はどこか置いてけぼりの疎外感を感じることがあるかもしれません。
(ベニマルの黒炎なんかは、もはや敵軍隊を一気に殲滅できる強さですからね。)
それはリムルが(1話の)何者でもなかった頃から、成長と仲間を作る過程を一緒に追っていった視聴者にとって、想像を超えた手の届かない場所に行ってしまったと思ってしまう当然気持ちですね。
(もともと通り魔に刺された30代のサラリーマンでしたから。)
そこにきて視聴者をホッとさせてくれるキャラクターがこのゴブタというわけです。
初めから姿形も変わらず、ハクロウの修行に音を上げてサボろうとしたり、冗談を言ってリムルにお仕置きされたり(笑)。
そういえばジオンの料理で死にそうになったりもしましたね。
そもそも強かったり、急激に進化・成長をした仲間たちに比べると、ゴブタの成長は物語の進行に正比例しているようです。
ただし、持ち前のセンスの良さや意外性、時に想像以上に強くなっていることが随所にエピソードとして挟まれていることから、まるで視聴者の自分もゴブタくらいの成長なら物語の中で出来るかも?なんて勘違いさせてくれる切り口になってくれます。
この親近感こそ、今後魔王を相手に戦う究極の戦いを目指す中で、物語の一服の清涼剤として機能するでしょう。
視聴者と同じ歩みで成長するキャラクターが活躍する様子でどこか安心感もあるんでしょうかね。
(個人的にゴブタでも出来るなら俺にも出来そう!って思わせてくれるところがいいですね。実は無理だけど。)
3.ドラゴンボールのクリリンのことかー
この究極バトルの中に、視聴者目線のキャラクターを投影した作品って、やっぱりドラゴンボールのクリリンですよね。
正直言って、誰も亀仙人の修行以降にクリリンが活躍するなんて思わなかったし、ましてや惑星規模のスーパーサイヤ人との闘いにおいても対等に戦えるまでに成長するなんて考えもしなかったですよ。
天真爛漫な悟空に対して、少しずる賢くいやらしい面を持ったクリリンは悟空のキャラクターを形作るために好対照な存在でした。
それは天才肌と凡人の対比でしたね。
だからこそ、普通の地球人のクリリンの成長と努力は並大抵なものではなく、物語後半では人間を超越した存在になりましたから。
しかし、ゴブタ同様に姿形はそのままです。
悟空が7頭身に成長した際に、相変わらずのクリリンの4頭身具合はどこかホッとさせられました。
物語はクリリンという決して主役になり得ないに人類代表を加えることで、悟空たち含め宇宙人たちのバトルに人類として参加しているような錯覚もあったのかもしれません。
クリリンが初めてカメハメ波を打った時や気円斬であっと驚かせたシーンはドラゴンボールの中でも印象に残るエピソードだったと思います。
※ちなみにゴブタ役の泊明日菜さんの声って、やっぱりクリリンの声に似てますよね。
4.考察 作者が置いたゴブタの存在
作者が意図的にドラゴンボールのクリリンの存在をゴブタに重ね合わせたかは定かではありませんが、結果として視聴者目線を置き去りにしないために初期段階から登場する親近感があるキャラクターに成長と重要な局面での物語との接点を持たせる配置をしていることは間違いないでしょう。
私たち転スラ視聴者はゴブタのフィルターを通して、着実な成長と進んでいく物語を傍らで体験しているような同時代性を感じています。
ドラゴンクエストでいうところの、弱いモンスターほど成長限界がないことも一致していますね。
そしてその対比として、リムルたち強者同士の究極の戦いに対して、ゴブタを通してテンペストの平和な日常から、戦いが始まる非日常のために体を慣らしてから没入できる重要な役割を演じています。
ゴブタの見どころは戦いというよりは、テンペストの日常に重きを置いているようですよね。
だからこそ戦いでの活躍の意外性がゴブタの持つ二面性かもしれません。
今後のゴブタの成長も、在りし日のクリリン同様に、成長限界のないキャラクターとして物語の重要な切り口になり、同時に癒しにもなるんでしょうね。
是非、ゴブタを主役にしたスピンアウト作品を期待したいと思います。
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