「葬送のフリーレン」という漫画が気になって、1,2巻を読んでみました。
不思議な世界観とストーリーについて私の解釈も含めて紹介します。
最初に言っておきますがこの作品好きです!
そもそも週刊少年サンデーの作品の漫画を買ったのは「H2」以来ですか。今まで同誌に持っていた先入観を壊すサンデーらしからぬ雰囲気を持っています。
イントロダクション
「鬼滅の刃」が独占していた2020年の人気漫画ランキングにおいて、ようやく通常営業に近づいてきました。
以下、ねとらぼの12月4日から11日週のランキングの抜粋です。
12月4日~11日のねとらぼ人気漫画ランキングTOP10
1位 怪獣8号 (1)
2位 鬼滅の刃 (23)
3位 葬送のフリーレン (1)
4位 鬼滅の刃 外伝
5位 女の園の星 (1)
6位 葬送のフリーレン (2)
7位 チェンソーマン (1)
8位 竜女戦記 (1)
9位 薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記―
10位 九龍ジェネリックロマンス (1)
言わずと知れた話題作の「怪獣8号」や「チェンソーマン」、「鬼滅の刃」がひしめく中で2作もランクインしているのが「葬送のフリーレン」です。
これは12月18日に3巻が発売するということも影響していますが、それを加味してもすごく支持されていますね。
また、同時に宝島社の『このマンガがすごい!2021』オトコ編第2位でもあります。
2021年期待される作品で間違いないようですね。
葬送のフリーレンとは
2020年4月より週刊少年サンデーで連載されている、原作山田鐘人さん・作画アベツカサさんによる作品です。
サンデーうぇぶりでは、本格”後日譚”ファンタジーという紹介ですね。
主人公の名前はフリーレン、種族がエルフの女性魔法使いです。
推定年齢は1000歳以上。
そして過去に勇者のパーティーの一員として10年の歳月をかけて魔王を討伐した英雄でもあります。
(引用:https://cdn.websunday.net/eximages/download/2012b/size3.jpg)
葬送とは
この物語の中の”葬送”という意味は、おそらく長寿のために仲間たちの死を見送るという餞(はなむけ)の意味と、敵側の魔族にとっては魔法で葬り去るということを指した忌み名の2つのようです。(と私は解釈しました。)
2巻に登場する魔族リュグナーは80年前にフリーレンと対峙したことがあり、はっきりと「葬送のフリーレン」と言っていますね。よって昔からこの忌み名で恐れられていた魔法使いなのではないでしょうか。
物語の世界観
物語は、10年間の魔王討伐を終えたパーティー(勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレン)の冒険の終わりから始まります。
ちょうど50年に一度のエーラ流星を見た一向は、50年後にもう一度一緒に見ることを約束し、再会を果たします。
しかし、ヒンメルもハイターも50年の月日によって老いぼれて、時間の流れを感じさせます。
人間とは種族の違うエルフのフリーレンとドワーフのアイゼンはほとんど見かけは変わりません。
その後、寿命によって亡くなったヒンメルの葬儀の際に、フリーレンは何も悲しみを感じません。それは人間の寿命が短いことを知っていながら、ヒンメルのことを何も知らなかったから。
その後フリーレンは再び旅立ちます。魔法収集と人間をもっと知るための旅に。
1000年以上生きるエルフという種族にとっての時間軸と関わってきた人間の寿命には大きな隔たりがあり、そこが物語のメインテーマになっています。
人間よりも長寿のドワーフのアイゼンですら「人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ」と言っています。
人間と関わりその生涯を見送らなければならないフリーレンの孤独を思いやるヒンメル、死後に残していく者を心配するハイター、死んだ仲間たちのぬくもりに触れながらフリーレンが変わっていきます。
そしてエピソードの始まりは必ず勇者ヒンメルの死からxx年後という件になっています。
(引用:https://news.nicovideo.jp/watch/nw8297316)
鬼滅の刃へのオマージュ?
「劇場版鬼滅の刃 無限列車編」において煉獄さんは、
「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」
と伝えてくれました。
それは上弦の参の猗窩座に鬼にならないか誘われた際に言い放った名言です。
(引用:(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable)
もちろん、フリーレンの持つ悠久の時間と不老の鬼は全く違います。
ただし、その問いに対しての解には共通するものがあると思いました。
ちょうどこの時期に重なったのでオマージュのように感じましたが人間に対する不変の理ですね。
むしろ、フリーレンは大樹に例えるとしっくりきます。
今後の展開
2巻まで読了しましたが、ハイターとアイゼンの弟子を連れての旅になり、旅先で人々と触れ、過去の思い出のエピソードは心が温まります。
それと同時に、フリーレンは大魔法使いであり勇者たちとの魔王討伐以前から生きてきた謎や出自も気になるところです。
魔王が討伐された後も、魔族やモンスターがいる世界。
力を取り戻した魔族たちが平和になった人間世界を襲います。今後フリーレンがどのように関わるか、新しい仲間たちと再度平和を守るのかの展開になっています。
全体的に丁寧にエピソードが描かれ、フリーレンというフィルターを通して人間や世界を知ることで、太古から流れている時間のほんの瞬間を共有する大切さやそんな今がこれからも続いていることを感じれる面白い作品です。
まだ3巻(12月18日発売)までしか発売されていないことから、容易に追いつけるところもいいですね。
お正月にでもいかがでしょうか。
追記)
もしかしてフリーレンって、Free(自由)+人(中国語で読みはレン)だったりして。
自由な人って意味なら... いや、完全に邪推ですね(笑)。