1/7に「ゆるキャン△SEASON2」の放送が開始しました。
前作は2018年の同じ1-3月期だったので3年ぶりですね。
この時期の放送だからか分かりませんが、キャンプをテーマにしている本作は冬のアニメの印象が強いです。
やはりアニメは冬との親和性が高いのではと思っています。
(引用:yurucamp.jp)
1.ゆるキャン△SEASON2第1話
前作でも1話で登場したカレーめんにインスパイアされたエピソード。
今作はリンがキャンプを始めた過去の話から始まりました。
そして今へ繋がっていく流れです。
短い冬休みに野クルメンバーは各々アルバイトに勤しんでいます。
特になでしこは郵便配達、友達の恵那は郵便仕分けを行っていました。これは高校生の定番アルバイトですね。
物語はリンの中学生の頃の回想になります。
おじいちゃんから使わなくなって送られてきたキャンプ道具一式に目を付けたリンは一人家の中でテントを組み立てます。
テントの中での読書が気に入ったリンは、次に父親と2人で冬のキャンプを行います。
(おそらく、初めてなでしこと出会った本栖湖キャンプ場と思われます。)
今となっては何でも1人でこなすソロキャンパーとなったリンも、初めてのアウトドアに失敗を繰り返します。
火を起こすのも、米を炊くのも上手くいかず、最後に食べたのが熱々のカレーめんでした。
このカレーめんは前作第1話でもなでしこと食べたカップ麺。
前作も今作も物語の始まりに象徴的に出てくる、アウトドアとは程遠い食べ物。
でもそれが彼女たちを繋げます。
そして最後のシーンでもコンビニ帰りのなでしこに会い、そこでカレーめんを差し出されます。
(引用:yurucamp.jp 前作1話)
2.描かれる厳しく、澄んだ冬
一般的にキャンプに冬のイメージはありません。
夏から秋にかけての気候の良いときにするのが普通なのかと思います。
ゆるキャン△によって冬の静まり返ったキャンプ場が穴場だと気づかされましたが、やはりオフシーズンには変わりはないでしょう。
物語の舞台である山梨の身延や本栖湖などはまさに厳冬というレベルの寒さになります。
ゆるキャン△では寒さの描写が多くあり、吐く白い息やマフラー、手袋がよく見られます。寒がりな女子ならまず動かないシーズンですね。
しかしその代わりに空気の澄んだイメージで包み込まれています。
そして、暖を取るという表現が最も合う季節でもあります。
寒ければ寒いほど火の暖かさと揺らぎが精神をリラックスさせるようです。
私たちは暖かい部屋の中で、彼女たちの寒さの中で暖まる喜びを勝手に追体験しているのかもしれません。
ゆるキャン△に出てくるキャラクターは大体モコモコしていますね。
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— TVアニメ『ゆるキャン△』シリーズ公式 (@yurucamp_anime) January 7, 2021
『SEASON2』本日放送開始!!
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第1話『旅のおともにカレーめん』
🕛 23:00~ AT-X
🕛 23:30~ TOKYO MX、BS11
🕛 24:30~ サンテレビ、岐阜放送
🕛 25:00~ KBS京都
いよいよ『SEASON2』が放送スタート✨
おうちでキャンプや旅気分を味わいましょー🏠https://t.co/6ILfCnpeTn#ゆるキャン pic.twitter.com/4C8Oh2BVit
また、心理的には厳しい冬は運気が良くなく、自分を見つめなおす時期、休息をとれというメッセージの暗示があるようです。
主人公のリンは回りに乱されず、我が道をいくタイプ。
むしろオフシーズンが最高と思っていますよね。
マイペースでソロキャンプに没頭できる冬こそ、彼女の性格に合っています。
それは後に野クルのメンバーと行くキャンプの良さを知るためにも必要な時間なのかもしれません。
3.厳しい冬は物語を動かす
アニメにおいて冬という季節は、滞った展開を進めるきっかけになることが多いと感じています。
もちろん、クリスマスやお正月、冬休みといったイベントや曇天や寒さという陰鬱とさせる要素も働いていると思います。
雪の表す純潔も、情緒的です。
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」では、なかなかはっきりしない3人の関係を冬の空が代弁していました。そこに降り出す雪が主人公の気持ちの告白を誘います。
高校生活の青春を現す春と夏に比べ、2回の冬はいつも関係が近づいた気がします。
「四月は君の嘘」では、雪の降る屋上で病気の進行するヒロインが気丈に耐えていた心の糸が切れて、本当の気持ちを吐露する慟哭のシーンが印象的でした。
ヒロインの純潔と絶望を雪が表現していましたね。
「秒速5センチメートル」では、引っ越しによって会えなくなることが分かった主人公の気持ちの高まりが、世田谷から栃木まで会いに行きたい衝動を突き動かしました。
よりによって季節外れの大雪の電車遅延が苛立ちと終わりを意味しました。
そして「ゆるキャン△」でも、冬にソロキャンパーのリンがなでしこたちと出会い、仲間たちみんなでするキャンプの良さに触れる出会いと成長のきっかけになっています。
寒さのせいか、ぶっきらぼうで言葉少なめな彼女はいつも心の声で語っています。
冬はいつも澱んだ気持ちを行動に変える、衝動を突き動かす魔法をかけてくれます。
心が落ち着いた上で、高まった気持ちに気づかされ、起こす行動は物語を動かしますよね。
4.アニメと冬の親和性
(引用:cwfilms.jp/5cm/gallery)
冬は寒さにによって閉塞感や鬱屈とした印象を受けますが、多くのアニメで雪による潔白のイメージや寒さによる静寂が心のうちを語る時間や自分を見つめなおすきっかけになっていると思います。
キラキラした青春も素敵で、勢いや情熱があります。
でも、冬はアニメの中で言葉自体を減らします。
この引き算が心をあらわにするんでしょうか。大切なものだけ残ります。
心を現す鈍色の空や静まり返った間が逆に自分のうちを映す表現に変わってくれます。
冬の風景や空気感が主人公たちの心理を代弁してくれるんでしょうね。
そういった意味でも、色や動きで表現するアニメの「躍動感」とすべての生の動きが遅くなる冬の「静寂」はそのギャップによって、気持ちを高める効果がある思います。
やっぱり冬という季節があるからこそ、物語が動き出す。
みなさんはどう思いますか?