2021年1月から放送されたアニメ「裏世界ピクニック」。
可愛らしいキャラクターデザインとネットロアを元にした怪異系のストーリー、
エース級声優の花守ゆみりさんと茅野愛衣さん起用の期待のアニメ作品でした。
でもね、色々あるんです、言いたいことが…。
しっかり最終回まで欠かさず観た者として、最後に言わせてほしいことがあるんです。
1.裏世界ピクニックとは
『裏世界ピクニック』(うらせかいピクニック)は、宮澤伊織による日本の小説。ハヤカワ文庫JA(早川書房)より2017年2月から刊行。ストルガツキー兄弟の『ストーカー』(原題の邦訳『路傍のピクニック』)を意識した作品で「理解の及ばない異世界でのお宝探索」というコンセプトに、インターネット上で流布される実話怪談をモチーフに組み込んでいる。2021年3月時点で電子版を含めたシリーズ累計発行部数は50万部を突破している。
登場キャラクターの造形には百合が意識されている。
(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/裏世界ピクニック)
作品情報
仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で“あれ”を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!
(引用:https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/398483/A001723306/)
2.各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | アクション 作画監督 |
銃器作画監督 | クリーチャー 作画監督 |
総作画監督 | 初放送日 |
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第1話 | くねくねハンティング | 佐藤卓哉 | 佐藤卓哉 | 牧野友映 |
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小田裕康 | 松本弘 | 吉田徹 | 西畑あゆみ | 2021年 1月4日 |
第2話 | 八尺様サバイバル | 有冨興二 |
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- |
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1月11日 | ||||
第3話 | 巨頭の村 | 宮澤伊織 |
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高村雄太 |
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- |
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1月18日 | ||
第4話 | 時間、空間、おっさん | 冨田頼子 |
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白石道太 |
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大竹晃裕 | 吉田徹 | 西畑あゆみ | 1月25日 | |
第5話 | ステーション・フェブラリー | 根元歳三 | 島津裕行 | 矢野孝典 |
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沼田広 | 福地友機 | 2月1日 | ||
第6話 | ミート・トレイン | 髙田昌豊 | 冨田剛司 |
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松本弘 |
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2月8日 | |||
第7話 | 果ての浜辺のリゾートナイト | 井出安軌 | 吉田徹 | 川奈可奈 |
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沼田広 | 西畑あゆみ | 2月15日 | ||
第8話 | 猫の忍者に襲われる | 伊神貴世 | 牧野友映 |
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- |
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2月22日 | |||
第9話 | サンヌキさんとカラテカさん |
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白石道太 |
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三島千枝 | 3月1日 | ||||
第10話 | エレベーターで焼肉に行く方法 | 宮澤伊織 | 金森陽子 | 有冨興二 |
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- | 松本弘 | 吉田徹 |
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3月8日 |
第11話 | きさらぎ駅米軍救出作戦 | 根元歳三 | 島津裕行 | 高村雄太 |
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沼田広 |
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3月15日 | ||
第12話 | 空魚と鳥子 |
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牧野友映 |
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3月22日 |
(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/裏世界ピクニック)
3.怪異系としてはちょっと。。。
”ネットロア”をテーマにした切り口は最近もありましたね。
(ネットロア・・・都市伝説(フォークロア)のネット版)
記憶に残っているのは「虚構推理」の中の”鋼人七瀬”のエピソードでしょうか。
不特定多数の匿名性が虚像を生み出し、それを読んだ者が感じる恐怖が独り歩きするリアル。
そもそもネットロアを怪異系と位置付けるのは違うかもしれませんね。
くねくね、八尺様、猫の忍者、姦姦蛇螺。
ネット発祥の噂話や作り話からの怪異・化け物なので、人が作り出した虚像そのものです。
匿名が命名したものが命を吹き込まれる。
名前を付けることって不思議と意味を持ちますね。
ただ、これは私の感想ですが、
ライトノベルだからこそ、この怪異を文字や形容詞から想像することでの怖さがあったんじゃないでしょうか?
モノトーンの文字と余白、文脈が生む想像力と怖さ。
漫画家水木しげるは闇夜を歩く不安な心が妖怪を作り出したと話していました。
実際にビジュアル化してしまうと怖さ半減というか、
こんなもんなんだ感あるかもしれません。
活字がもたらす想像力で成立していた物語だと思いましたね。
でも、説明や解説はほぼなし。
分からないものとして描かれています。
あと、
怪異なのに物理攻撃が効いたり効かなかったりするところもよく分からなかったです。
例え空魚の右目で見るとターゲッティングできるという設定があったとしても、
銃で倒せる怪物って、それだけで何かこの世のものの価値観が通じているような…。
その辺りが何かブレているような気がしてしまいましたね。
終始これ何なの?感がありました。
4.お手軽化していく裏世界
第一回では偶然裏世界の扉を開けてしまった空魚を鳥子が助けるところから始まりました。
怖い思いをして命からがら逃げ帰ることで少し厭世的だった空魚も生きて帰ったことを喜んでいたのですが、それからは色々なタイミングで異世界に足を踏み入れることになります。
元々は鳥子の探してる冴月という女性を見つける目的があったのですが、
最終的にはお手軽に異世界に行くようになってしまい、
タイトルの通り”ピクニック”の意味が分かった気がしました。
第十一回と最終回はきさらぎ駅に置き去りにされた米軍救出をテーマに、
初めて明確な目的がありましたが、それ以外は行って逃げて帰っての繰り返し。
最後まで冴月に会うこともなく終わってしまいましたね。
命の危険や帰れない恐怖は何処へ。
5.ちゃんと最後まで観た感想としては
月曜日深夜の放送で観やすかったです。
例えば怖くて怖くて眠れなくなるとかもなく、でも何なの?感だけは絶えず残る作品。
途中でミステリーなの?って疑りたくなるような凝った展開を期待してしまいました。結論的にはただの説明不十分的見せ方なのでしょう。
ネットロアって結局は便所の落書きや天井の木目や模様を受け手がどう見るかのようなものですからね。
あとは貴方達で考えてよ、って感じですかね。
この作品はおそらく記憶に残らないくらいあっさり昇華されるでしょう。
商業的、メディアミックス的には2期や刊行中の原作ラノベを売りたいわけで、
あえて冴月の件は持ち越しなのも理解できます。
でも冴月が出てきても評価は変わらないでしょうね。
評価できるところは最終回まで迎合しないで初回からのスタイルを変えなかったところ。
説明不足、よく分からない怪異と物理設定、帰ってきて乾杯(笑)。
狙いは視聴者の抱くこれ何なの?感だったのでしょうか。
リゼロを代表するような心境すべてを赤裸々に口頭説明してしまうラノベ発のアニメに比べれば、あえてこのあっさり感の演出は良かったのかもしれません。
そういう目線で振り返ると、
この作品って骨まで何も残さない形で綺麗に昇華が出来るアニメですよ。
あと、遠慮がちに百合感も出してましたけど全く中途半端過ぎて…。
この作品百合感いる?
もしかしたら原作はもう少し表現が多いのかもしれませんが。
あえて面白かったとはいいません。
是非観て欲しいとも思いません。
でも私の中で、アリだと思っています。
おそらく原作ラノベで読めってことですね。
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※あくまで個人の感想ですので、ご容赦ください。他意はありません笑。