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新アニメ レビュー:安達としまむら#1

2020年10月8日からTBS系列で放送開始しました”安達としまむら”についてレビューします。LightなGL(Girl's love)という異色作で注目していましたが、やはり期待以上でした!これは名作の予感です。

 

安達としまむら”は、入間人間さんによるライトノベルが原作です。電撃文庫MAGAZINEに掲載され、現在9巻まで発売されております。略称は「あだしま」。

 

www.tbs.co.jp

 

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animeanime.jp

 

#1 ”制服とピンポン”

 

安達としまむらの出会い

体育館の2階で卓球をする安達(声:鬼頭明里)としまむら(声:伊藤美来)。そこは卓球台が置かれている誰にも気づかれない隠れ家のような場所。 

授業をサボりがちなしまむらとほとんど学校に来ない安達はここで会い、行動を共にするようになった。

3時間目が体育だったこの日、クラスメイトが体育館に入ってくる。しまむらはもし見つかったら2階の窓から飛んで逃げようというが、安達は足が折れると心配する。安達はカルシウム不足と言われ、お昼ご飯に牛乳飲むというが、体育館の下にいるクラスメイトを見つめるしまむらの横顔に見惚れてしまう。

 「いろんなことに翻弄されないこの時間は心地よくて…」

 

(1話全体を通して)

メタファー全開の女子高生の複雑な内面を描写しています。

友情と友情を独り占めしたいという複雑な感情と葛藤、心地いい時間軸とゆったりとした会話のテンポがいいですね。

日常系アニメとしても楽しめますが、心の機微を1つ1つ拾っていくとより安達としまむらの内面に触れることができるので、ポツンと呟いた一言が非常に大事になります。よって作中ほぼ聞き逃せないという千本ノック状態になります(汗)。

 

始まりはいきなり卓球のシーンからでした。本編1話はピンポン玉がテーマですので象徴的に扱われてますね。ちなみにピンポン球やボールの暗示はコミニュケーションらしいです。

 

 

ここでOP曲。

鬼頭明里さんと伊藤美来さんが歌う「君に会えた日」。

 

主題歌を歌える声優さんの2人、贅沢ですね。

 

 

2人の出会いの描写。 

安達が初めてこの体育館の2階に来た時、すでにしまむらがいた。

同じクラスという簡単な自己紹介の後、沈黙。蝉の声だけが響いた。

窓にくっついて鳴いていた蝉をしまむらがジャンプして窓越しに叩き、2人で落ちた蝉を見に行く。しまむらは蝉を掴み近くの木に留める。

あと何日くらい生きると聞かれたしまむらは、15日と答える。

それから15日後、2階にやってきたしまむらの手は土で汚れていた。

そうして私はしまむらと出会った。

 

(感想)

間に気まずくなって、うるさい!と叩き落とした後に蝉を手厚く扱う感じが少女の不安定な内面を表していました。

蝉は1週間しか生きないのは常識。その常識を知った上であえて15日と答える。蝉(儚いもの)とのアイロニーですね。

うー…、安達よりしまむらのほうが複雑…

 

 

しまむらの人との距離感とピンポン玉

距離っていうのは一概に近ければいいというものではない。近すぎれば反発してすれ違うことだってある。

人付き合いは素潜りだと思う。

深く深く沈んで様々なものが周りからなくなって、息苦しくなった後また海面を目指す。そして海面に顔を出して一呼吸したら再び深く潜っていく。そんなことを繰り返していれば…

同級生2人との帰り道に、ベンチに座る安達に会う。ただしまむらバツが悪そうに目を伏せ、安達も目をそらす。

 

(感想)

友達との距離感、友達以外との距離感。しまむらにとって安達は知られたくない存在なのか、両親や兄弟のような自分だけのCloseな関係で外の人に触れられたくないのか。

仮に自分しか見えない妖精がいたとして、置き換えたら分かりやすいのかな。(いや違うような…) 秘密の共有の1種ですかね。

 

 

翌日会った二人はそのことに触れずに、安達は帰ろうとする。

しまむらは、今日授業受けよう!と今日一緒に帰ろう!ならどっちがいい?と聞く。

安達は、じゃあ学校が終わるまでどっか行って時間を潰すかなと答える。 

 

自転車の後ろで安達の頭を見下ろしたとき顔と頭がセットで見ると綺麗に見えるそれも毛むくじゃらの生き物に見える。私も似たようなものかな。変な一日だった。

 

(感想)

前日クラスメイトに安達のことを他人行儀でごまかしたしまむらバツが悪そうに目を伏せた安達。

表から見たか、裏から見たかの違いだけで結局は同じもの。2人ともただの毛むくじゃらの生き物と変わらない。不器用なのは2人とも同じ。

 2人乗りの自転車、まん丸い雨粒と傘、ウユニ塩湖を思わせる青空と水面の鏡。境なくどこまでの続いている空と物語の象徴としてのピンポン玉のようなまん丸い雨。2人の心の描写ですね。雨すら2人の関係が深まるという暗示でしょうか。

 

・安達との距離感と雨

雨の中の二人乗りで帰った翌日のお昼、体育館の2階に日野と永藤が来た。そこで簡単な安達の紹介とパンを食べた。日野はしまむらを釣り堀に誘う。伏し目がちな安達。

次の日に安達はここに来なかった。

安達について知らないことは山ほどあって、時々それを歯痒く思う。多少なりとも分かっているのは自分の事だけだ。

昨日ここでわいわい賑やかにしていた日野と永藤を見てつくづく感じた。あーゆーのは求めていないと。

 安達は友達が私しかいないと言っていた。つまりそういうことなんだろう。今の私が聞けて今の安達が認められるにはきっとこれぐらい。

 

(感想)

2人だけの空間、秘密を共有している場所に部外者が来ることへの嫌悪としまむらに対しての友情を独占したいという嫉妬。しまむらが言うあーゆーのとは求めていないとはしまむらの安達に対しての心情も同じだったということ。2人だけの空間、2人だけの関係性が心地いい。しまむらにとって自分が分かっていること。

 

 

傷つけたのとも違うが安達がもう学校に来ないんじゃないかと考える中、後ろからしまむらを突き飛ばして登場する安達。しまむらが好きなパンを渡しそびれたと不器用に照れる。

2人乗りの自転車で帰る二人。

手を翼のように広げたしまむら

たしかな高揚感が私に翼をくれた。恥ずかしがるまであと何歩かかるだろう。

 

(感想)

空から雨の代わりにピンポン玉が降ってくる描写。

しまむらの不安が払しょくされ、前の雨粒のピンポン玉の対比として今度はピンポン玉が現れた感じですね。安達とのコミュニケーションが叶った暗示でした。

分かりやすく傷つけてしまうなら言葉や態度で示せますが、本作は表情や空気感で内面を表現しているため表面上の会話では成立しません。言葉の裏を読むよりもさらに分かりにくい安達のマインドセットを読む…難解ですが、女子高生同士なら成立するんでしょうね。

 

・まとめ

日常系アニメでテーマがGLを扱うということで注目作でしたが、友情に対する嫉妬や独占欲のような表現になっています。今後の展開でもっとディープになるとは考えにくいので、この狭間の葛藤や少女同士の自分にないキラキラしたものを羨望がLightなGLのような形になるのではないでしょうか。

終始直接的な表現はなく、安達としまむらの内面を吐露する呟きが2人の関係性を作ります。ただしそれも微妙でまだ形がない、心地いいものととして成立しているだけです。ピンポン球をコミュニケーションの暗示として捉えるとまた面白いかもしれません。もちろんただの深読みですが。

メタファーの表現媒体としてライトノベルはぴったりですね。

来週からは謎の宇宙服人間の知我間社(ちかまやしろ)も登場します。思春期の複雑な少女の心の機微と日常を叙情的に楽しんだり、考察するのに面白い作品です。

全編シーンが綺麗で安達もしまむらも可愛いし…

これは今期で一番のおススメになる可能性が高いです!

 

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