10月15日放送の”安達としまむら”の2回を見ましたのでレビューします。
初回の叙情的な流れや思春期の内面の描写と違い、今回は一気にGL路線に持って行きましたね。
第2話 安達クエスチョン
釣り堀と安達
休日の釣り堀にヤシロ(声:佐伯伊織)がいた。宇宙服に身を包み同朋を探しているという。ヘルメットを取らないその姿にしまむらは判然としない。
体育館の2階のあの場所でしまむらの膝枕で始まる。終始顔を赤らめる安達に対して、しまむらは至って普通。
「安達から猫っぽいって言われたことがある。人に懐かなそうなところが猫っぽいそうなのだ。たしかに人に心を許さないところはあると思う」
意識する安達に対して、妹やそれなりの交友関係を続けてきたしまむらは懐かない猫に見えるのだろうか。
「しまむらには風情が足りない」
「風情?風情ね、今まで言われたことがない」
普通の女子高生にとって友達同士(女子同士)の膝枕なんて普通のことなのかもしれない。でも安達にとっては特別なこと。(母親と2人暮らしらしい)人と接近すること自体に免疫がないのかもしれない。だとしたらどういう経緯で膝枕になった?(笑)。一方的に意識する安達に対して、しまむらは懐かない猫。
その後安達を授業に誘うとすんなりと受け入れる。
「釣果は上々かな」
安達はまんまと釣られる。
「学校の中というのは独特な社会として機能していて、その空気を外に持ち出されると困惑してしまう。だから学校の中でずっと生きていければと思う人も中には出てくるだろう。いい未来を釣りたい。そのためにはまずは釣り糸を垂らさなと始まらない。」
この心理描写は複雑でわからない。
学校の中のみの関係性があって、それは隔絶された外に持ち出せない閉鎖的な関係。例えば学校でリーダーや番長でも、外の世界では普通の高校生なんてよくある話。お山の大将でいたければ学校の中でずっと生きていきたいはず。この場面での”いい未来”とは、(学校の中だけではなく)外の世界でも変わらないことだろうか。再三”釣りの表現”が使われることは、”釣り”が暗示している”(未来の)成功”を意味している可能性がありますね。
ドーナツと安達
放課後に安達と買い物に出かける。
ドーナツを買い、ドラッグストアなど見ながら歩く。
ドーナツを分け合いながらしまむらを意識する安達。食べ物を分け合うこと自体なかなかないことなのかもしれない。ドーナツは人間関係の暗示。
「人といることはほんの少し苦痛を伴う。理解できないこと、面倒なこと、関係のこじれに伴う修復、解体への労力。
だけどそういった負の面の隙間に幸せは転がっている。子供の頃ふと失くした小さなボールが出てくるように。
安達と出会ったことがより良い未来そのものであると信じたい」
安達と付き合うことは、いいことばかりではなく面倒なこともあると思う。けして器用で気の利くタイプではないのはもう理解できるから。ただ心地よい関係は負の面も含めたものだから。安達と出会ったことに対しての期待と不安の表れ。
でも、これ普通のこと。
安達が手を繋ぐ。
驚くしまむら、引っ込めようとする安達に対して
「安達って意外と甘えたがり?」と聞くしまむらは何も意識しない。
しまむらに意識されたんではないかと勘繰る安達に茶化すしまむら。安達の突然の実力行使にちょっとびっくり。友情の延長線のLightなGLのはずだけど…越えてきましたね。
駅前で宇宙飛行士の格好のヤシロが現れる。
ヤシロはドーナツを欲しがり、食べるときに顔を見せる期待して分け与えるしまむら。
(結果としてヘルメットの隙間から食べたので顔は分からない…)
安達はヤシロに興味を示さず、そっけなく自転車を取りに行くと別れる。
「もしかして何か怒ってた?」
「そもそも人生は何があっても変わらない。未来は誰も知らないのだから変えようがないのだ」
「やっぱり人付き合いって難しい」
明らかに安達の嫉妬。当然しまむらは気付けないでしょうね。
これがいいことばかりではなく面倒なこともあるという意味だけど、第1回の日野と永藤同様にしまむらを独占したい表れ。ここまでくるともはや恋人ですね(笑)。
葛藤する安達
「しまむらは何故か私の方が美人だと思っているらしい。それは大きな誤解といえる。私からすればしまむらのほうがずっと可愛い。けだるそうな目元、つつましやかな口、目が行くのはしまむらの顔ばかり、特に口元」
キスの夢にハッとする安達。
「別に私はそういうのではないのだ」
自分に言い聞かせる安達。
「私はそういうあれじゃない。私はしまむらに優先されたいだけだ。しまむらが友達という言葉を聞いて私を最初に思い浮かべてほしい、それくらいの多少の独占欲めいたものがあることは認めている。」
「実際のところ、しまむらが私をどれくらい友達だと考えているかはずっと気になっている。他の友達と何も変わらないのか、少しは意識しているのか」
ようやく安達は自身の独占欲に触れましたね。
でももはや独占欲では片づけれれない域まできてますが。
しまむら家族(妹と母と3人)が偶然安達の働く中華料理店に行く。
照れる安達としまむら。これが外に持ち出されると困惑する空気かもしれない。
翌日、安達はしまむらの家に行く。
人見知りの妹が出ていき、2人きりに。
ビーズクッションに座り、足を投げ出すしまむらに対して、
「座ってもいいかな、しまむらの足の間に」
意外にもそっけなく受け入れるしまむら。
「妹がこういう座り方してくるし、これって普通じゃないの?」
想像を越えることに安達興奮し、我を失う(笑)。ここからはもはや安達イジメとしか言えない天然のしまむら?
「変だ、すごく変だ。
鎖骨が痛い。普通胸が痛いとかあるが私の場合は骨が痛くなる。剥き出しにでもなるかのようにピキピキと骨が軋む音がして…」
ここからは安達の心の葛藤が続く。
「楽になりたい、そのために何をすればいいかすぐに分かった。
好きっていうか、
え?え?
私は何を言おうとしたんだ?
いや、言った?言ってない?
しまむらのこと好きみたいな…
こりゃ駄目だ、いけない、
あほか、これはこれはこれ
好きなのかな、多分さ、ひょっとしたらの話、好きのようなさ、
大馬鹿のやることだ」
声が出ているのかそうなのかさえ分からない状況に陥り、安達は前後不覚の昏倒状態。
「…えっと、大丈夫?呼吸してる?顔真っ赤だけど」
家に帰って意味不明なことを叫ぶ安達(なんだましゃー!なんだこりゃー的な)
日が沈んで登ってきても私に明日は来るんだろうか。
(次週に続く。)
感想
安達はもはや男子に置き換えるべき存在ですね。
だとしたら、しまむらは仕打ちはヒドイ…刺激するだけ刺激してお預け状態です。
安達の葛藤から始まりますが、意識しないしまむらの想像を越える接近・接触でついに安達が壊れてしまいます。
ここで言う安達の楽になりたい…は触れることではなく告白することなんですね。そこが男子との違いというか精神的つながりも必要とする女子の関係性なのかな。GLむずい。
しまむらさん、今回はとにかく残酷でした(笑)。
これからずっとこのすれ違いコントになるのでしょうか、なるのでしょうね。
男子は純粋に安達の目線で見るべきなのか、Mっ気としての刺激される安達を楽しむのか、来週までに考えておきます。
先週のようなロマンチックな風景や描写はなく、終始心のギトギトするリアルな箇所を刺激される回でした。